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現在楽識さんから頂きました☆

2008年10月28日 23:56

というわけで、秋の頂き物祭り第一弾!

いつもあたたかいコメントを下さる現在楽識さんから届いたSSに、
へろっとイラストを描いてみたりして。

というか、頂いてから間が空きすぎですね。
ほんと申し訳ない。

タイトルは、『優先座席』で。

   ×   ×   ×

揺れる電車の中、一人の少年が吊り輪を掴んで立っていた。
『……はぁ、電車は安くていいけど、
こう立っているのがつらいんだよな』

満員とは程遠いといえ、座席はすべて埋まっており、
少年以外にも何人かの立ち乗客がいる。

『アキバで少々時間食ったな……』

茶髪の頭を軽くかき、ずれたサングラスを直しながら少年はぼやく、

『プレゼントを選ぶのも大変なもんだ、気に入るといいけどな』

肩掛けカバンの中にしまってある紙包みを守るように
カバンの上から手を置き、少年は少しドキドキしていると
電車特有の騒音以外の騒音が聞こえてきた。

「だから~~~、そうじゃないってば~~~」

騒音の発信源を探してみると、
優先席に腰掛けた女子高生が携帯電話でしゃべっていた。

「も~~わかったから~~きるよ」

携帯電話を切り、
不機嫌そうにコンパクトを取り出し化粧をしだす女子高生
金髪に染まったセミロングの髪、どう見ても少々キツメの化粧、
ブレザータイプの制服からすると
この路線沿いにある高校の制服だ。

『ったく、電車のマナーくらい守れよな……
しかも、優先席で携帯電話とは……』

少年はあきれてまたずれ落ちたサングラスを直し、ため息をはく。
優先席を占領しているのはその女子高生だけではない、
もう一人、仕事帰りのOLなのか、
きっちりとしたスーツを着込んで無言で本を読みふけっていた。

『……まあいいか』

比較的に近い立ち居地にいるせいか、女子高生から匂ってくる
強い香水の匂いに鼻での呼吸を控え、少年もポケットから
携帯電話を取り出し、
マナーモードにしてあることを確認しながらメールを打つ。

そうやってしばらくすると、時間帯のせいか、大勢の乗車客が
乗ってきて車内が混雑してきた。
それなのに相変わらず女子高生は平気で大声で電話をしたりして
マナーがなっていない。

『……ったく、優先座席で優先されるのは老人、妊婦、
それと骨折等で立つのが困難な人が優先されるというのに……』

流石に車内ではそういった人がいないが、
それでもマナーが悪いのは目に余る。

「ははは、だから~~~」

周囲から怪訝な目で見られていることなど一切気にせず、
女子高生はずっと携帯でしゃべり続けている。

とある駅で電車が停車したとき、一人の老婆が乗ってきた。
杖を突いて腰が曲がり、段差を必死に乗り越え、
電車に乗り込み、きょろきょろと空いている席を探している。
しかし、どこも開いていないので
震える体で隅っこのほうに歩いていく。

「何よ、ババア、見てんじゃネーよ」

老婆が優先座席の前を通りかかった際にちらりと女子高生を
みたのか、女子高生は老婆をにらみつけていた。
濃い目のアイシャドーのせいか、にらまれた老婆は
少しビビリながら今度は隣に座っていたOLのほうを見るが、
OLは一瞬老婆と目を合わせるがすぐにまた本に視線を戻し、
気にせず本を読みふける。

『席ぐらい譲れよな……まったく、そんなに優先席がいいのかよ』

少年は邪悪な笑みを浮かべながら携帯電話を取り出し、
高速でメールを打ち出した。

 順番前倒しだけど、いいか?

そのメールを送信し、少年はその返答を待った。
数分後、携帯電話のバイブを感じ、少年は携帯を開いた。

 いいぜ? 

そのメールを確認すると同時に少年はサングラスで隠れた
瞳を閉じ、上着のフードを深くかぶった。

 
電車の中にどこかひんやりとした空気がたまりこんでいく。
優先座席にいる二人へとその空気が流れていく。

jkap olbbw


携帯電話を閉じると、電車の中の様子が一変する。

先ほどまであった多少のざわめきがなくなり……
すべての人の動きが止まっていた。
一部のものを除いてだが、

「え、そうなの? まじで? 
うっそ~~しんじられない~~……?」

携帯電話でしゃべっていた女子高生がふと
何か違和感を感じていたのか、しゃべるのをやめた。

「あれ? うそ、圏外? あれ?」

携帯が突然切れたことを不審に思っていたが、
それとは別の違和感に女子高生は首をかしげる。

「あれ? 髪の毛……伸びた?」

先ほどまでセミロングだった髪の毛が腰まで届き、
伸びたぶんの黒髪が少女の顔にかかる。

「う、うそ、何? これ……」

隣で見ていたOLも驚いた表情で女子高生を見ている。
その間にも女子高生の髪が伸びていくが、
変化はそれだけではない、
女子高生の体が伸びている、無論身長のことだが、
先ほどよりも5、6センチほど身長が伸び、
ドコとなく雰囲気が大人になっている。
 
鏡を取り出し、自分の顔を見ている女子高生をみて、
少年は口元を歪ませる。

『……ふふふ』

鏡に映る自分の顔が変化していくことに
女子高生は顔を真っ青にした。

「な、なに……? この顔……」


   ×   ×   ×

後編に続きます。


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コメント

  1. 現在楽識 | URL | OOy8wYYM

    Re: 現在楽識さんから頂きました☆

    ども、素敵な絵、アリがトウゴザイマスw

    正直、完成した後(送った後)読み返してみると……
    『うわぁ、無茶苦茶だぁ』と少々落ち込みましたw

    でも、絵を描いていただけるとは……感謝しますw

  2. greenback | URL | Usf8TFq2

    Re: 現在楽識さんから頂きました☆

    >現在楽識さん
    こちらこそ素敵なSSに感謝です。
    イラスト、イメージと違いすぎなければ良いんですが。
    後編も上げましたので、ご確認ください。

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