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『涙目王女』 その25

2009年01月24日 23:28

ひぐらしの話題が続いてるところに原作厨が通りますよ。
アニメはちゃんと見てないのに、
なぜか実写映画は見ちゃいましたよ。

ジャンル分けの難しい(というか、できない)作品ですよね。
いろいろとらわれずに楽しむのが一番なんでしょうが、
グロやホラーの要素もある程度あるにはあるし、
いろんな意味でダメな人にはダメでしょう。

面白いとは思うのでおすすめしたいところですが
無理して読むこたない。
一緒にするのはおこがましいと思いますが、まあ
↓この話もそうですね。

今北さん用あらすじ
・豚にされたお姫様は、王子様と”ゲーム”にチャレンジ中!
・朝までにヤれればおkなんだけど、王子様が勃たない……
とりあえず俺と代われ 一方その頃。

はじめから読む人は→1話へどうぞ

   ×   ×   ×

近衛兵隊長・パブロは、何か気がかりな思いで目を覚ましました。
途方もなく不愉快な夢を見ていたような――それでいて、
それがなんだか思い出せないような――そんな気分でした。
昨日は、シュレアルの国にとって、
そしてリヴェラ姫にとってこの上なくめでたい日。
それなのにこんな気分でいること自体が
不敬にあたるような気がして、
この忠義者の兵士は軽い自己嫌悪に陥りました。

それでもなお、どこか拭えないこの違和感。
ずっと喉の奥に小骨が刺さっているような、妙な感覚。
そう。
昨日の朝の騒動。
あれから、なんだか胸騒ぎが消えないのです。

「どうかしてるな……」

苦笑いを浮かべて、ベッドから起き上がります。
そう、どうかしているのです。
姫は、愛する人と結ばれて幸せになったのです。
このようないち兵士が
心のどこかで姫のことを想っていたからといって――いえ、
想っていたのならなおのこと――その幸せを喜ぶのが当然。
表面上、パブロはその「当然」の姿勢を
ほぼ完璧に貫き通したつもりでした。
でも、だからこそ、その押さえた想いが悪夢に形を変えて、
彼のもとを訪れてきたのかも……

ぴしゃ、と両頬を叩いて、思考を断ち切ります。

「顔でも洗ってくるか……」

カーテンを開けると、
東の空が青く染まり始めているのが見えました。
気の早い小鳥が、寝ぼけたような声で鳴き始めています。
もうすぐ、シュレアルに朝がやってきます。
いつも通りの、美しい朝が――

その時でした。
何者かの声が、彼の頭の中で大声で叫んだのは。
思わず、耳を押さえてうずくまるパブロ。
しかし頭蓋の中で響き続けるその声に、
そんな抵抗は何の影響もありませんでした。

誰かの声?
いいえ、この声を――パブロはよく知っています。

『来て! 来て! 来て! 早く来てぇえ――ッ!!』
「……姫ッ!」

寝間着姿のまま、槍だけを持ってパブロは駆け出しました。
状況の全てが飲み込めたわけではありません。
しかし、自分がいま何をなすべきか、それだけは分かりました。

――寝室へ!


けたたましい音をたててパブロが寝室のドアを開け放つまで――
そして、そこで繰り広げられていた、
あまりにシュールな状況に彼が言葉を失って立ち尽くすまで――
それから1分もかかりませんでした。

ネグリジェを着て、部屋の隅でけたたましく笑い転げるリヴェラ姫。
部屋の中央には全裸のレオナルドがへたりこんで、
涙を目に浮かべながら真っ赤な顔で
何かをつぶやき続けています。
そして、彼にのしかかるようにして
下腹部に頭を押し当てている『それ』は、
捕らえられ地下牢にいるはずの、あの雌オークでした。

「これは……一体?」

誰に聞くともなく漏れ出たパブロの言葉。
それに反応するように、化け物の尖った耳がぴくんと動きます。
ゆっくりと顔を上げ、とろりと濁った目でパブロを見ました。
べとべとになった口元と鼻づらを
乱暴にぬぐって……口を開きます。

「ア……あ……」

開いた口の中で、泡だった唾液が糸をひきます。
パブロは反射的に槍を構えながらも、
そいつが何かを言おうとしているのだ、
ということに気づいていました。

「あ……たし……リヴェ、ラ、ふがッ」
「な、何?」
「んがあぁ……たし、ほブッ、ほんもノ、た、すけ、て……」
「な、なっ、何をバカな!」

蹄の生えた手を差し伸べながら、
よろよろとにじり寄ってくるオーク。
ぜいぜいと荒い息をつく、
その生臭いような甘酸っぱいような口臭。
今さら改めて言うまでもなく、リヴェラ姫とは似ても似つきません。
第一、本物の姫は変らぬ美しい姿ですぐそこにいるのです。
でも。
昨日からずっとひっかかっていた何かが――
身のほど知らずの嫉妬心だと思っていた何かが――
恐ろしい”その可能性”を指し示していました。

この見るからに魔法力の無いオークに、
姫に化けて城に潜入するような芸当ができるか?
そして、姫はどうしてこの状況で何も言わず、
それどころか笑っておられるのだ?
だいたい、こいつはどうやって地下牢から脱出したのか?
脱出したなら、なぜ逃げようとしない?
この化け物とレオナルド様はいま、何をして――
いや、何を「しようとして」いたんだ?

考えれば考えるほど、何もかもが分からなくなっていきます。
その混乱は、このシュレアルいちの使い手に、
致命的な油断をもたらしました。
いつの間にかすぐ目前にせまってきていたオークを避けることも、
反撃することもできないまま……押し倒されてしまったのです。

「くっ!」

一瞬、覚悟をします。
しかし、打撃を加えることもなく下腹部に向かって
顔を突っ込もうとする化け物は、驚くほどに無防備でした。
考えるより先に嫌悪感が走り、
思わずそいつを突き飛ばして距離をとります。

「ンブきぃッ!」

転がった拍子に背中を打ち、
オークは豚そっくりの悲鳴をあげます。
もっとも、脂肪におおいつくされた身体に
さしたるダメージはなかったようで、
ほどなくよろよろと立ち上がってきました。

「ぶひっ、ひどいよ……パブゥロ……んなっ、なん……でぇ?
わ、わたし、なのに……」
「くっ、ま……まだ言うかぁ!」

   ×   ×   ×

続きは→26話

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コメント

  1. 現在楽識 | URL | -

    Re: 『涙目王女』 その25

    ……そ、そのオチが待っていたのかぁぁぁぁぁ!!!
    間違った意味でグッジョブw
    そしてアナタは男だ!!
    騎士のカガミだようん、パブロクンw
    自分が守るべき人にトドメを刺すとはw

    さあ、どうなるのでしょうw

  2. greenback | URL | xB9R6Xc2

    Re: 『涙目王女』 その25

    >現在楽識さん
    ありがとうございます。
    王子もたいがいだけど、彼も相当なヘタレなので、
    いい働きをしてほしいものですw

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