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『涙目王女』 その26

2009年02月01日 01:35

いよいよ“ゲーム”も最終章。
夜が、明けます。

今北さん用あらすじ
・お姫様の豚化を治すには、朝までに王子様とHあるのみ!
・でも、豚相手じゃどう頑張ってもおっきしない王子様。
・そんなカオスな状況に、忠臣パブロ君が登場!

最初から読む人は→1話へ


   ×   ×   ×

せいいっぱいの虚勢をはりながらも、
パブロはいまだに判断しかねていました。
どうする?
何を信じればいい?
もし、この目の前の豚が、あの姫だったとしたら……?
こんな姿に変えられて、捕らわれて、
最高の幸せを手に入れるはずだった結婚式の日に、
この上ない屈辱を味わわされていたのだとしたら……?
これが、今が、助けられる最後のチャンスだったとしたら……?

「して、よ」
「……え?」
「して、してよぉお!
んブッ、レオナルドじゃダメなの、ぜんぜんダメ。
ぜんぜん、フゴっ、勃たないのよぉ!
この人……んブッ、口だけなの。
ブヒッ、口先ばっかりで、
ぜっ、ぜっ、ぜんぜん、勃たないのよぉおお!!」

そう、床に横たわっているレオナルドが
口の中で呟き続けていた、言葉にならない言葉。

「すまない、すまない、すまない、すまない、すまない……」

そのセリフをはっきり聞いていたのは、
リヴェラの姿を借りたままのフリーダだけでした。
王子の様子が、その絶望がたまらなく可笑しくて。
魔女はパブロが乱入してからも、
こみあげてくる笑いをこらえきれなかったのです。

「ぱぶゥロ……だから、あんだで、イぃっ!
んすっ、好きだったんでしょ?
んブフゥ、あたし、知ってたんだから。
え、んりょ、しなくてブひぃいんだよぉ?
あんたでも、いいから、ンブッ、し、してっ!
ふゴッ!!
はやく、はやく、はやく、してよぉおおおッ!!」
「うわぁあああああああああっ!!
やめろ、黙れ、黙れええっ!!!」

グロテスクな陰部をむき出しにして迫ってくる怪物を相手に、
パブロは絶叫しました。
自分でもはっきりと理解できない怒りが、
彼の体中を支配していました。
いえ、理解できないのではなく、
理解したくないだけだったのかもしれません。

“――あんたでも、いいから。”

ぷつんと、パブロの中の何かが音を立てて切れました。
目の前にいるのは、醜く、浅ましい肉の怪物。
愛用の槍を構えなおし、そいつに向かって全力で突き出します。

「うおぉおおおおおおおおおおおおっ!」

そう、これは近衛兵本来の職務。
丹念に手入れされたその先端が、
一直線にオークの心臓めがけて――

きらり。
刃を輝かせたのは、窓からさしこんで来た、朝日でした。

「終ゥー了ォオ――――!!」

それはびっくりするほど大きな声。
すさまじい魔力が、パブロの身体を……その槍を静止させます。
部屋の隅で、
体中からあふれだす魔力にネグリジェをはためかせながら、
フリーダはもはや姫の装いを脱ぎ捨て、
魔女本来の姿にもどっていました。

「時間切れ、ですね。
ほんとに残念だけど、楽しいゲームの時間はおしまいです。
思わぬゲストのおかげで、
思った以上に楽しませてもらっちゃいました。
ありがとう、近衛兵隊長。
いかがでしたか、
かつて愛した人を本気で殺そうと思った気分は?」
「か、かつての……?」
「またまた、とっくに気づいてたんでしょ?
そこのブタさんが、リヴェラ姫だってこと。
隠すことないんですよ」
「そんな、俺は……俺は……」
「魔女に言い訳したって何にもなりませんよ。
それに、誰もあなたを責めたりなんかしません。
この夜に起こったことは、すべて夢の中のことになるんですから」
「……え?」
「レオナルドさまもご安心なさってくださいね。
お二人は、今から眠っていただきます。
目が覚めたときには、ここで起こったことは何も覚えていません。
姫は姫。
オークはオーク。
彼女が見舞われたこの事態にも、
どうすることもできなかった自分の無力さにも苛まされることなく、
心安らかな日常にお戻りいただけます」
「お、おい」
「ちょっと待て……」
「うるさいッ!」

ほぼ同時に口をひらきかけたレオナルドとパブロを、
フリーダが一喝します。

「うるさいんだよ。
助けを求めるリヴェラ姫に、お前らが何をした?
彼女の最後の希望を土足で踏みにじったお前らの話など、
どうして聴く価値がある?
そうですよねえ、お姫さま」
「んぶっ、うぅんぶッ!」
「かわいそうに、そんなにヤりたかったですか?
ご安心下さい、あんな薄情者たちとは比にならない、
ぴったりのお相手をあてがってさしあげますわ……」

言いながら魔女は、ぱちんと指を鳴らしました。
花婿と近衛兵隊長、そして……雌オークの巨体が、
ゆっくりと力を失って倒れていきます。
慈しむように自分を見つめるフリーダの目を見ながら、
暗転していく視界の中で
リヴェラ姫ははっきりと理解していました。

『ゲーム』が終わったこと。
それが、彼女の完敗で幕を閉じたこと。
すなわち、姫が人間に戻る希望の灯が――
永遠に消え去ったことを。

   ×   ×   ×


終わり、でいいかとも思うんですが……もうちょっとだけ。
オマケみたいなのが続きます。


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コメント

  1. 雷鳴 | URL | 8x/lEzVM

    Re: 『涙目王女』 その26

    華麗に今、フィニィッシュゥ!(゜∀゜)(華麗?)
    ついに「ゲーム」、終わってしまいましたね。
    もう役立たずの王子さまとか甲斐性無しの
    兵士とか(彼は、もうある意味GJでした)もうね…。
    見ていて、ホントに野球選手の如く「代打、俺!」を
    やりたいくらいでしたが、次回でいよいよ終わりの予感…。
    「ぴったりのお相手」も気になります。wktk。

  2. 現在楽識 | URL | -

    Re: 『涙目王女』 その26

    あーあ、タイムリミットだ……

    俺の妄想回路ではもうこの後を想像すると飛んでも無いことになりそうでものすごく楽しみですw

    パブロお前は何も悪くない!!!
    悪いのは、全部王子様だ!!
    このヘタレめ、甲斐性なし、スノ○ラ!!

    もう罰ゲームで、王子様をメスブタにでもしてやればいいのに!!


  3. | URL | -

    フリーダさんの一喝が正論過ぎてフリーダさんが正義に見えてきましたw

  4. greenback | URL | xB9R6Xc2

    Re: 『涙目王女』 その26

    >雷鳴さん
    パブロ君は意外といい動きをしてくれましたね。
    代打志望の声もありがたいですw
    そして次回でもまだ終わんなかったりして、すみません。

    >現在楽識さん
    す○はらw
    王子様にも多少は情状酌量の余地はあると思うんですが……
    まあ、どうでもいいか。
    ご期待に応えられるか不安ですが、頑張ります。

    >02月02日 13:59 コメントの方
    丸め込まれちゃらめぇw
    確かにそこだけ見たらそれっぽいんですよね。

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